やさしい余韻に包まれながら目を覚ました。
枕元のスマホを見ると、一通のメールが届いている。
昨夜はありがとうございました。
彼女は今日もしたくて楽しみにしてます。
完全に落ちそうで目が星になってます。
昨夜は途中から欲しくて、でも挿入はしないのかと我慢の限界だったそうです。
おねだりするメスになったのは初めてのようです。
今夜、明日もよろしくお願いします。
今日は時間あるので、腰が抜ける位いかせて下さい
どうやら昨日の出来事は夢や幻では無かったようだ・・・
ベッドで天井を見上げながら、昨晩をぼんやりと振り返って二人の不思議な関係について考えていた。
それぞれが何を望んでいるのか、本当のところはまだ僕にはわからない。
いずれにせよ、乗りかかった船である。この際だから最後まで楽しんでみようと思った。
昼の用事を終えて、ホテルの前で二人と落ち合った。
ショートパンツにノースリーブという開放的な服装。
背が高いうえに厚底の靴を履いているので、遠目からもかなり目立っていた。
彼氏とキャピキャピと戯れるその姿は、まさに一羽の小鳥のように、街の景色から際立っている。
昨夜の熱い抱擁を思い出すのか、伏し目がちな彼女の頬は、心なしか紅く染まっているような気がした。
この後、3人は居酒屋で軽く食事をして、ラブホテルへと移動した。
ソファーに腰掛けるなり、ふたりは吸い寄せられるようにお互いを抱き寄せた。
ギュッと強く抱きしめて、昨夜のぬくもりを確かめ合う。
うつむきがちな顔を覗きこみ、そっと口唇を重ねた。
その夜は、大きなベッドの上で汗だくになるまで、激しく濃厚なセックスをした。
「しあわせ」繋がりながら、そう耳元で彼女は囁いていた・・・
実はこのお話し、彼女達との交流はのべ三日間にわたる。
行為が終わったあと、彼氏から新たな提案があった。
翌日の昼に飛行機で地元へ帰る予定らしく、その前に朝からもう一度、彼女を楽しませてあげて欲しいとのこと。
彼女もそれを強く望んでいるようだ。
丁度その日は朝から動けたので、僕は快諾した。
疲れていないと言えば嘘になる、でも今はまだ、お別れをするには早過ぎる気がしたのだ。
心の距離が近づくにつれて、別れもだんだん近づいていく。
「おやすみなさい」
二人をホテルまで送り届け、名残惜しみながらも帰路についた。
翌朝
彼女達のもとへ向かう車の中で、僕は考え事をしていた。
どうすればより彼女を楽しませ、充実したひと夏の思い出をつくれるだろうか?
- 普通の恋愛をほとんど経験していない -
そんな彼女は、若い男性とのセックスよりもむしろ、ありふれた青春の1ページ的な体験を欲求している気がした。
(そうだ、海へ行こう・・・)
澄み渡る青空を見上げながら、ふとそう思いついた。
知多半島を下に縦断して海沿いをドライブし、適当なホテルを見つけて最後のセックスをして空港へ送り届けよう。
車で二人を拾い、つい今しがた考えたプランを提案する。
彼女は首を大きく縦に振って、嬉しそうに僕の提案に賛成してくれた。
助手席に彼女を、後部座席に彼氏を乗せ、海を目指して車を発進させた。(
夏の終わりに(5)へつづく・・・)
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