ふと彼女のほっそりとした指先が僕の股間に触れた。
ボクサーブリーフの上から固くなったペニスを優しくさすりながら、物欲しそうな目で僕を見つめている。
彼女が欲しているものを、僕も欲していた。
急に愛しくなって、僕は彼女に覆いかぶさり、そっと抱きしめた。
見つめ合いながら、お互いの意思を確かめ合う。
「大丈夫かな?」 耳元でそっと呟いた。一応マネージャーの許可が必要だと思ったのだ。
「たぶん大丈夫だと思う・・・」後ろで見守る彼氏を振り返ると、待っていたとばかりに大きく頷いている。
下着を脱ぎ去り、熱くそそり立ったペニスを彼女のアソコにあてがい、ゆっくりと挿入していった。
「あんっ・・・・・・」とても狭いが、たっぷりと愛液が絡みついてきて、奥深く吸い込まれていく。
繋がり合う瞬間の快楽は、まるで魂が身体の外に抜け出し、宙に浮いてしまいそうなくらい甘美だった。
繋がりながら、お互いを強く抱きしめた。
とろけるくらい熱いキスを交わした。
彼氏の男性は、ここぞとばかりに様々な角度から撮影にいそしんでいる。
(・・・彼女は普段若い男性と遊んだ事が無いので気持ち良くしてあげてほしいです・・・)
男性が問い合わせメールで言っていたことも、確かに真実なのだろう。
籠から抜けだした小鳥は羽を伸ばすように、ありあまる性欲を僕にぶつけてくれた。
それを受け止めるがごとく、硬いペニスで彼女を突き上げていく。
汗だくになりながら時間を忘れて交接を楽しみ、最後は気が遠くなるくらいのエクスタシーとともに果てた。
「彼女が自分からお◯んちんを求めるなんて、滅多にないんですよ・・・」
明かりをつけた部屋で、高揚しながら彼氏はそう言った。
「そうだよね?」 彼女はそれには答えず、恥ずかしそうにうつむいている。
「もし良ければ、明日もお願いできませんか?」
どうやら明日が仕事の本番らしく、夜から空くらしい。
「明日もカーマさんに気持ち良くしてもらいたいでしょう?」
彼氏の言葉にハニカミながらも、満面の笑みで大きく首を立てに振った。
「ちゃんと自分から、カーマさんの目を見てお願いしてごらん」
「明日も、お願いします!」 躊躇しながらも、そう言ってベッドの上でペコリとお辞儀をする。
もちろん断る理由は無かったので、快く承諾した。
終わりが来るのはわかっている。でもどうせなら一度ついた火を、今はまだ絶やしたくはなかったのだ。
「よかった。それじゃあ明日は一緒にご飯でも食べてからラブホテルでも行ってたっぷり暴れましょうか」
それが仕事でもあるようだが、段取りを組むのが相当お好きなようだ。
「マリも若い男性とデートしてみたいだろ?」
彼女は足をバタバタさせて、子供のように喜んでいる。
本当に若い頃から、普通の恋愛を絶っていたようだ。
こうして見ると、二人はやはり親子のようにも見える。
こんな流れでつぎの日も会う約束を交わし、後ろ髪を引かれる思いで部屋を後にする。
ホテルの外に人気は殆ど無く、名古屋の街はすでに寝静まっていた。
まるで自分が長い夢の中を漂っているような、現実感のとぼしい夜だった。(
夏の終わりに(4)へつづく・・・)
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