セックスセラピストの仕事、とくにバージンカウンセリングにおいて結構多いお悩みの一つに
性交時に感じる『痛み』があります。
本来、そういった行為に慣れてくれば快感を得られるはずの、膣の入り口から膣にかけて
触れられると異常なほどに『痛み』を感じるそうなのです。
もちろん、初体験ではほとんどの女性が程度の差こそあれ痛みを感じるわけですが、
その痛みが尋常ではなく、パートナーができても初体験で失敗を経験し、
さらに恐怖が増幅していくケースが少なからずあるのです。
そういった方に対して、『それは実は、”幻の痛み”なんですよ』と説明しています。
『幻の痛み』
当の本人からしてみれば、
その痛みというのは実際にリアルに感じているわけで、
そんなことを言われてもすんなりと納得はしてくれません...
ぼくが(幻の…)というのは、それが一時的であり柔軟に変えられるという意味を含んでいます。
それではいったい何故、人は『幻の痛み』を感じてしまうのでしょうか?
それは『性感脳』と深く関係しています。
性感脳とは簡単に言えば『頭の中の配線』のことです。
性経験が無い、もしくは少ない人は
アソコからの感覚が脳へと伝わる時に
それが快感として感じるのか、それとも不快(痛み)として感じるのかがまだ不安定で確定されていません。
むしろ『初体験への恐怖心』によって、堪え難い痛みとして感じやすい傾向にあると思います。
”初体験は痛い”という情報が頭の中で一人歩きして
処女(おとめ)はいつか来るであろう”その日”の恐怖に怯えています。
そして初体験当日。
挿入=激痛という先入観によって、アソコへの刺激は脳で即座に痛みへと変換され
彼女にとってそれは確信へと変わってしまいます。
ある程度経験をつんでベテランの域に達した女性は、アソコを多少雑に触れられても大して痛みを感じないように、
本来は、不快な信号を無視して快感を感じるという刺激(情報)の取捨選択を自然に行えるようになるようです。
例えばドM性癖をもつ男性が女王様に痛めつけられることによって快感を得られるように、
本来『痛み』と『快感』はもともと同じもの、コインの裏表であって
経験や訓練によっていかようにも変化していくのです。
ぼくのカウンセリング(セラピー)はまさに、
『身体への刺激に対して脳が不快感ではなくなるべく快感を感じるように頭の中の配線を調整する仕事』であると言えます。
では、実際どのような手法を使って脳の配線を調整していくのでしょうか?
まずは①ムード作り
当たり前のことですが最も重要ですね。
女性になるべくリラックスしてもらい、その場の空気自体が心地よい状態『快』であればあるほど不快の入り込む余地もすくなくなります。
施術前半のアロマオイルマッサージもリラックス状態に導くことを意識しておこなっています。
次に②優しいタッチ
なるべく微弱なタッチで身体に触れていきます。
秘部など特に敏感な部分はローションやオイルをたっぷり使うなどして、極めて低刺激&スローな愛撫を行い
徐々に他人に触れられることに慣れてもらいます。
そして③『連結』と呼んでいる手法
アソコでは痛みを感じる女性でも、胸や乳首を触られると気持ちいいという女性は多いです。
そこでこのような女性の胸を優しく愛撫しながら、アソコに触れていくと
あら不思議、気持ち良さに中和されて痛みがだんだん消えていくのです!
実はここに幻の痛みの本質が隠れています。
そう、幻の痛みとはネガティブな感情を持って一点の刺激に集中してしまうこと
によってうまれるのです!
幻の痛みを感じる女性の多くは、敏感な体質であるように思います。
それはすなわち、脳の配線をポジティブな方向へつなぎ変えることができれば、真逆にビンビン快感を感じる超敏感体質になる可能性を秘めているのです。
ここまでおもにバージンの方のケースで説明してきましたが、
性経験が多い女性でも、男性から雑な愛撫をされた経験によっても同じように幻の痛みを感じるようになるケースもあります。
そのような方に対しても、脳の配線を正常にもどす施術は効果があります。
以上、長々とある種の性交痛について記述してきましたが、ご拝読ありがとうございます。
同じようなお悩みを持つ女性に向けてぼくがお伝えしたいメッセージは一つ
『その痛みは快感へ変えることができる』ということだけです。
貴女が痛みの幻影から解放される事を祈っています。
カーマスズキ