マッサージでイッてみたいです。
自宅まで来てくれますか?
そんな2行ほどのメールを頂いたのは、3月の上旬でした。
何度かメールをやり取りしていくうちに、(この依頼は受けるべきではない)と頭のなかの小さな天使が囁きます。
なぜならそこは、既婚者のお宅だったからです。
「普段主人としているところで、他人とエッチな事をしてみたい・・」かなり攻めたご依頼です。
成人向け漫画のようなシチュエーションですが、いくらなんでも怪し過ぎる。(
美人局的な)罠ではないか?と勘ぐってしまいました。
しかも午前中からの施術希望で、高速道路を使っても1時間以上かかる県外ヘの出張です。
ちょっと前の自分だったら間違いなく辞退していたと思います。
万が一施術中にご主人が帰ってきたら、間違いなく修羅場ですから・・・
でも今の僕は一応は正規の業者です。ルールを犯さない限りは、何かあったら警察に駆け込めます。(たぶん。。)
(面白そうだからリスクを冒してみろ!)頭の中の小さな悪魔が、しきりに語りかけてくるのでした。
根っからの好奇心と冒険心には逆らい難く、結局そのご依頼を受けることに。
その日の空はどこまでも青く晴れ渡っていて、頭の中で渦巻く不安はじょじょに薄らいでいきます。
目的地に着く頃には覚悟を決めていました。
指定された住居は新築ホヤホヤの戸建てで、家の前にはちょっぴりやんちゃな感じの車が佇んでいます。
(あちゃ~、、これは、アカンやつや~。よし、逃げよう!)
そうは思っていても、もう引き返せません。
頭の中が真っ白の状態のまま、恐る恐るチャイムを鳴らします。(ピンポーン)
(ガチャ)真新しいドアから出迎えてくれたのは、細身のきれいな奥様でしたが、どことなく元ヤンの風格がしなくもないです・・・
(これは後から怖い人が来るパターンやろ・・・)
チャイムを鳴らした瞬間からはもう、ドミノ倒しのように後戻りはできなくなりました。
「はじめまして、鈴木です!!」
軽く挨拶を交わし、お宅へお邪魔します。
生活感漂うリビングを通り、階段を登って寝室へと案内されました。
敷布団が二組並ぶそこはまさに”愛の巣”。こんなところで施術するのは初体験です。
キョロキョロと部屋中を見回し、隠しカメラなどが無いか注意深く確認します。
もしご主人が帰ってきたら、どこに逃げ込もう?
ロッカーの中?それともベランダから飛び降りる?(骨折したらどうしよう?)
そんな雑念が浮かんでは消えていく、文字通りのノープランです。
お代を先に頂き、もう後戻りはできないと覚悟して施術にとりかかることに。
服を脱いでうつ伏せになってもらい、
オイルマッサージをしながらお話しをうかがいます。
話によると、ご主人のセックスがノーマル過ぎて満足していないとのこと。
そしてひとりエッチでしかイッた事がないというお悩みもありました。
なるほど、実際オナニーでしかイッたことがない女性は結構多いんですね。
経験不足や男性のテクニック不足、大人のおもちゃの刺激に慣れてしまった、そして自身が一番のテクニシャンになっているなど原因は様々だと思います。
話に不自然さは感じなかったので、ひと安心して施術をつづけます。
胸のカーマタッチから乳首を入念に焦らしていくと、口唇の間から湿った吐息が漏れてきました。
乳首を舌で転がしながら、右手で全身を愛撫します。
太ももの内側に滑り込んだ指先が、一瞬秘密の場所に触れました。
そこはもうすでに、生温かい淫靡な蜜が溢れだしています。
「もうこんなにビショビショになっちゃってますよ、奥さん」
「・・・・」「ご主人に内緒でこんなことされちゃって、、興奮してるんですか?」
「す・・ごい・・・感じちゃう・・・」「エッチな奥さまだ・・・今日はとことん、いやらしいことをしちゃいますよ」
最近のわたくしは一度スイッチが入ると、こんな歯の浮くような言葉責めをスラスラ言えるように成長?しました。
「・・は・・い・・・っあん・・・」吐息混じりの湿った喘ぎ声は、甘美な音色となって僕の鼓膜をくすぐります。
「凄いことになってるよ、奥さん・・・」
奥様の脚を大きく広げ、ぐしょぐしょになったアソコに舌を絡めます。
「・・・はうぅぅんっ!!」柔らかな小陰唇と僕のくちびるは、溢れ出す愛液を介して熱く絡み合います。
アソコの外側をくまなく愛撫した後にクリトリスの皮を剥いて優しく舌で転がしていくと、彼女は脚をぴくぴくと震わせながら股間から押し寄せる快感に我を忘れているようでした。
「そこっ・・・すごぃ・・・きもちぃぃぃぃ!」ドクドクと止めどなく溢れだす蜜で大洪水状態の膣口に中指をあてがい、指先でクネクネと膣の入り口の周辺を愛撫します。
たっぷりと愛液をまぶした指先を少しずつヴァギナへ挿入すると、それはまるで母乳を貪る乳児のように僕の指先に吸い付き、奥へ奥へと飲み込んでいきます。
まっすぐに伸ばした一本の指は彼女の温もりに包まれながらゆっくりと中を進み、ついには最深部へと到達しました。
ポルチオ性感帯と呼ばれるスポットを指先でグッと押してあげると、全身をよじりながら子宮辺りから来る強烈な快感を受け止めている様子でした。
中イキ(ポルチオ逝き)熟練者ならこれだけで深いオーガズムに達することもありますが、彼女はセックスでのオーガズム未経験ですので、そこまでは期待しません。
根元まで挿入した中指を折り曲げ、
Gスポットとよばれる性感帯をマッサージしていきます。
ここは人によっては尿意を覚えてしまう場所ですので、慎重な指使いが欠かせません。
膣がほぐれてきたのを確認し、指を二本に増やしてぷっくりと膨らんだスポットをリズミカルに愛撫します。
部屋中に鳴り響く卑猥なクチュクチュ音。
「すごくエッチな音がしていますよ・・聞こえますか?」
言葉では言い表せないうめき声が返ってくるばかり。Gスポットから伝わる快感に没頭し、完全に
カーマワールドの住人になっていました。
オーガズムとは蓄積された性エネルギーの爆発であり、ダムの決壊のようなものだと思います。
Gスポットを絶えず刺激し続ければ、誰でもイケるようになるとか、そう単純なものではありません。
人それぞれの内面に、ダムの水を途中で放水してしまう”ノイズ”のようなものが生じうるからです。
ですので、女性の表情や指から伝わる膣の反応をみて、性感の蓄積量(水位)を絶えず確認する必要があるのです。
膣をマッサージしながらクリトリスを舌先で転がし、さらには乳首からの快感も加えていきます。
なんだかんだで20分以上そうしていたでしょうか、膣は僕の指を締め付けては弛緩するを繰り返していました。
締め付ける力は少しずつ増していき、いまでは指を喰いちぎらんばかりに締め付けてきます。ちなみにこれはオーガズムの前兆です。
僕は確信していました。
左手の掌をアソコにあてがい、ちょうど恥骨をサンドイッチするような形で強めにGスポットを刺激していきます。
正直右手は疲労でパンパンになっていましたが、おそらくここで止めたら”振り出しに戻れ”です。
喘ぎ声はしだいに叫び声に変化していき、おま◯こから鳴り響くクチュクチュ音と合わさって、カオスになっていました。
「イッ」ポロッと小さな声が漏れました。どうやら快感で満たされたダムに小さなヒビが入ったようです。
ついには指が動かせなくなるくらい、強烈に締め付けてきました。
「だめっ・・・、イッちゃうっ・・・・」次の瞬間、すべての緊張は解け、電撃が貫いたように身体がビクンッビクンッと波打ちます。
訪れる静寂、恍惚として満たされた彼女の表情。
女性が深いオーガズムに達して余韻にまどろむ姿は、いつ見ても神秘的です。
最初の危うい話からだいぶそれてしまいましたが、その後も波乱の展開は訪れず、無事に帰還することができました。
今回は1度の施術で運良くご依頼の目的をとりあえず達成することができましたが、実際はなかなか簡単ではないことも事実です。
この日記を読んでくださった方のなかには”私には無理だわ”、とか”体質が違うのかしら?”と思う方もいるかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。
根気強くセラピーを続けて5,6回目の施術でようやく壁を超え、初イキを体験できたケースもありますし、
性感開発というのはある程度長いスパンで見る価値があると思うからです。
自分と依頼者が費やしたエネルギーのうち10%は徒労に終わるかもしれませんが、残りの90%はきっとプラスの効果、前進をもたらすことでしょう。