出会いは唐突で、別れが訪れるのもあっという間だった。
思い返す今この瞬間も、心地良い疲労感が尾を引いていて、頭がほんのりとのぼせている。
その不思議な三日間は、まるで一本の線香花火のように、僕の夏の終わりを彩ってくれた。
とくに秘密厳守を求められいたので、胸の奥にそっと閉まっておくつもりでいた。
そんな折に、先方から「日記に書いて欲しい」と要望が来たので、思い出を少しずつ日記に綴っていきたいと思う。
こんばんは初めまして。
女性20代前半のかなり歳の離れたカップルです。
明日名古屋市内に出張に行きます。
日程詳細未定ですが、明日の夕方か夜に都合が合えば、まずはアロママッサージやアダムタッチから本人次第で色々施術していただきたいです。
彼女は普段若い男性と遊んだ事が無いので気持ち良くしてあげてほしいです。
よろしくお願いします。
こんな問い合わせメールが届いたのは、もう8月が終わろうとしている頃だった。
歳の差が大きいくらいで、通常の
カップル施術とたいして変わらないだろう・・・
そんな軽い気持ちで、指定された名古屋市内のビジネスホテルへと向かった。
夜の8時過ぎ、ホテルのエントランス前で依頼をくれた男性と落ち合い、部屋へと案内された。
歳は50代半ば、ハツラツとした外交的な雰囲気で、若い頃から相当遊んできたような若々しい男性だ。
「彼女はいま
禁欲生活中なので、いっぱい気持ちよくしてあげてください」
「そして、くれぐれも秘密厳守でお願いします」
そんな意味深な言葉を部屋の前でつぶやき、ゆっくりとドアを開けた。
ドアの先には、背が高く、整った顔立ちの女性が立っていて、にこやかな表情で自分を出迎えてくれた。
「よろしくお願いします」 そう言ってペコリとお辞儀をする。しおらしいお嬢様だ。
”彼氏が呼んできた謎のマッサージ師”という設定で軽く自己紹介をしながら、
アロママッサージの準備をはじめていく。
とくに冷え性で足がパンパンにむくむそうなので、冷え性やコリに効くアロマオイルを調合して足のマッサージを重点的に行なっていった。
うつ伏せでくつろぐ彼女の枕元で、男性はまるで子供を寝かしつけるような低いトーンで甘い言葉を囁いている。
会話から漏れる断片的な情報を繋いでいくと、おぼろげながら二人の関係や、依頼された経緯が分かってきた。
あくまでも推量だが、彼女は地方のご当地アイドルもしくはタレント、男性は彼女のプロデューサー兼マネージャーといったところだろうか。
アイドルと言っても20代前半の”お年頃”である。持て余す性欲を若い
性感マッサージ師に満たしてもらいたい、と言うのがご依頼の目的だそうだが、彼氏の
寝取られ性癖も多分に含まれているようだ。
今日は遠方からはるばる飛行機に乗って名古屋まで出張に来ているそうだが、嬉しいことに、名古屋に来たついでにたまたま自分を呼んだのではなくて、もともと何かのきっかけで自分のサイトを知って興味を持ち、名古屋に立ち寄る機会があったら是非依頼しようと考えてくれていたらしい。
日本は今、空前のアイドルブームが続いている。
建前上、アイドルの恋愛禁止が業界の暗黙のルールとなっているようだが、彼女たちの年齢は同時に青春の花盛りでもある。
そんな葛藤の裏側、見てはいけないものを垣間見てしまったような、複雑な感情が胸に迫ってくる一方で、細長い美脚をさすりながら、あり得ないシチュエーションに頭がクラクラ、誰にも知られてはいけない事をしているという背徳的な興奮によって股間はピクピクしてきた。
カップル施術の常で、はじめ女性はあまり乗り気ではない。
日中の仕事で疲れているのか、彼女の目蓋は眠気でかなり重くなっているようだ。
それをいかに盛り上げて性欲の獣に化けさせるかは、自分の腕の見せどころでもある。
全身のマッサージを一通り終え、
カーマタッチから
乳首愛撫へと進み、とろ火で水を沸かしていくようにゆっくりと彼女の性感を呼び覚ましていった。
ふと気がつけば、例の男性はひっそりと物陰に隠れて、二人の様子をうかがっている。
口の愛撫は乳首から徐々にお腹や鼠頚部、太ももを経てアソコに移動していった。(
夏の終わりに(2)へつづく・・・)
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