久しぶりに依頼用の電話が鳴りました。
電話に出ると、受話器の向こうでボソボソと聞こえる、関西弁イントネーションの男性の声・・
男性からの電話は色んな意味でドキっとしてしまいます。
「カップルで・・・マッサージをお願いしたいんですけど」そのような需要が少なからずあることは知っていましたが、実はカップルでの依頼は今回が初めてです。
俗にいう「寝取られフェチ」なのか「
3P」したいのか、詳しい話も聞かずにとりあえず指定のシティホテルへ駆けつけることに。
恰幅のいい男性に部屋へ招き入れられると、ダブルベッドにホテルの寝間着を着た40代半ばの女性が座っているのが見えました。
風呂あがりらしく、半乾きの髪につややかな素肌のスラリとした女性です。
軽く挨拶を交わし、男性に今日のご依頼内容を聞きます。
お二人は夫婦で、地方から名古屋にご旅行中とのこと。
どうやら奥様はそういう”
女性向け性感マッサージ”であることを知らず、ご主人が面白半分でご依頼くださったという状況でした・・
話を聞くところによると、夜の生活はなかなかご無沙汰な様子。
ちょっと戸惑い気味の奥様を尻目に
「ほんならこいつに軽く普通のマッサージしたってな・・・ほんでその気になったらあっちも頼むで」とご主人。
慣れない、もみほぐしマッサージからスタートすることにあいなりました。
”普通の”マッサージに関しては今のところ勉強不足なので、慣れない手つきで背中から足へかけてモミモミしていきます。
ご主人は背中を向けてテレビを見ながら完全にまったりモードです。あまり興味ないご様子・・・
時折こちらを振り向いて、僕に「アソコを攻めろ」みたいに目配せしてきます。
30分以上普通にマッサージして、ご主人がちょっと出掛けてくると言って部屋の外へ出て行きました。
これをGOサイト思い、太ももマッサージから手を徐々に近づけて、ワレメに指を這わせます。
奥様の口からかすかなため息にも似た声が漏れてきました。
完全にスイッチが入った僕は、いち指圧師からカーマ鈴木へと豹変しました。
奥様に寝間着を脱いでもらい、うつ伏せの状態で背中からの愛撫を開始です。
ジムに通っていらっしゃるそうで、鍛えあげられた肉体は背中の曲線美にありありと表れていました。
40代半ばとは思えない引き締まったくびれに、筋肉で盛り上がった背骨付近の背筋はあたかも20代アスリートの肉体です。
半分目を閉じながら、まさに調律師のように指先と女性の肌との間に全神経を集中させます。
タッチ圧とスピードが
アダムタッチの最大のポイントになります。
間に薄紙があるような、触れるか触れないかのきわどいタッチです。
この微かな刺激を、女性の脳は増幅していき性感へと高めることが出来ます。
仙骨からうなじまで、ゆっくり万遍ない愛撫を3往復ぐらいした頃には、奥様の背中は一性感帯へと変わり始めていました。
肩甲骨など、骨ばった箇所はとくに感じやすいので、触れた瞬間にピクンと体が波打ちます。
完全に出来上がった奥さんを仰向けにし、本来なら最初にやる予定だった顔への愛撫を施します。
額から、頬、そして耳に差し掛かった頃には、はたから見てもハッキリわかるほど奥様は淡い快感にドップリと浸っていました。
成熟した女性が官能する姿は独特の美しさを醸し出します。
快感を恐れることなく、とことん味わい尽くそうとする姿勢はまさに動物的です。
耳を女性器に見立てて、入念に愛撫していきます。
気づけばご主人も部屋に戻っていました。
皮膚に軽く触れるだけで感じ悶える奥様を目を皿のようにして呆然と見つめています。
耳から鼠径部に移り、鎖骨、肩、腕と愛撫していき胸の表面を愛撫する段階になっては、もはや声を抑えきれずに切なげな喘ぎを発しています。
焦らしに焦らした乳首を、口を使ってこねるように愛撫すると、軽く悲鳴にも似た声をだしてよがります。
たまらずご主人も片方の乳首に吸い付く始末。
気がつけば僕とご主人の二人がかりで奥様を可愛がるという状況になっていました。
乳首舐めが一通り済んだら、得意技の一つ、足舐めに入ります。
足の指一本一本丁寧にしゃぶり付き、指の間に柔らかく舌を絡ませていきます。
すでにほぼ全身が性感帯と化した奥様は、快感に口をわなわなさせながら側で寄り添うご主人にすがりつきます。
その愛おしい姿にご主人は奥様にキスで答えていました。
愛しあう夫婦を傍目に、足を舐める俺・・・
よくわからない状況を冷静に見つめながらも、つま先から股にかけてゆっくりと足を愛撫していきます。
愛撫が女性器に近づくに連れて、奥様の反応は強さを増していきます。
焦らした末にとうとう女性器の愛撫、そして
クンニリングスです。
これまでゆうに1時間以上、山を登るかのようにゆっくりと全身の性感脳を高めていく作業のクライマックスとも言える段階にさしかかりました。
中でも
クリトリスはまさに山のテッペンとも言える性感帯の女王様です。
まずは女性器を全体的にやわらかな舌使いで、ゆっくりと舐め回していきます。
そして敬々しくもクリトリスに被さる皮を剥こうとしましたが、すでにその必要も無いくらいに膨れ上がった立派なクリトリスがそこにありました。
ファーストタッチは極めて柔らかく。
表面を這うようにゆっくりと舌を滑らせていきます。
舌を動かす度に下半身はビクンビクンと反応し、時折こわばったり弛緩したりを繰り返します。
奥様は隣で寄り添うご主人にむかって口をパクパクしています。何言っているか聞き取れませんが、どうやら快感を表現しているようです。
どれくらい舐め続けていたでしょうか。上下左右に舌を滑らせ、時には高速に舌を動かしてチロチロと刺激したり
女性の反応を見ながら、
レインボークンニと名づけた多彩な舌技を繰り広げていきます。
緊張と弛緩を繰り返し、腰をクネクネ動かしながらついに奥様は叫びにも似たうめき声を発しながら絶頂を迎えたようです。
ぐったりと天井を見つめ、口をわなわな震わせながら快感の余韻に浸る奥様を優しくご主人が抱擁しています。
「・・・すごい感じちゃった・・」シンプルですが、
セックスセラピスト冥利に尽きるうれしいお言葉でした。
時計はもう23時近くを指しています。
奥様の体力的な問題と時間の都合で、膣内マッサージを施さずに今日のところは施術終了ということになりました。
本当に感じるセックスとは体力的に結構疲れるようですね。
はじめは全身もみほぐしで癒していたのに、終わってみたら疲れてしまったというのは本末転倒ですが、
心身の深い部分では、なにか解きほぐせたのではないかなあと思います。
ちょくちょく名古屋には遊びに来るそうで、「またお願いします」とのこと。
来たときよりも、ご夫婦の表情はツヤツヤしているように見えました。
感謝のお言葉をいただき、部屋を後にしました。
夜中のすいた幹線道路を車ですっ飛ばします。
少しあけたウィンドーから入り込む風が心地良いです。
また素敵な出会いがひとつ増えました。
その後、二人が激しく愛しあったかどうかはわかりません。