性感脳の扉がひらく音が聞こえた。
それは
クンニリングスの前の段階、脚の爪先から秘部へ向かって舌を這わせているときである。
ここへ
辿り着くまでにも、全身の愛撫をじっくりこなしている。
ただし、これまで胸の先端や秘部などの明確な性感帯には一切触れなかった。
愛撫の指先、舌先は性感神経が密集する場所に思わせぶりに近づいては、なにもなかったかのように通りかすめていく。
それを幾度となく繰り返しているうちに、恥部の性感帯は脚の爪先まで拡がったようだ。
爪先を口に含み、柔らかな舌使いで足の指を一本一本愛撫した。
くるぶしの丸みにそって、ゆっくりと円を描く。
ふくらはぎから
脛の方向へ、舌の表側でゆっくりと舐めあげては、裏側でそっと舐め下ろした。
これを股間に向かって隙間なく繰り返していく。
そのリズムはまるで渚に揺らめく波のようでもあった。
僕はずっと目を閉じ、目蓋の裏にその情景を描いていた。
波打ち際を駆け上がる波の音が遠くに聞こえる。
潮のざわめきにも似た快感を、きっと彼女も感じてくれていただろう。
文字通り全身が性感帯と化した彼女は、波のように押し寄せる快感に身をよじり、絶えず大きな喘ぎを発していた・・・
濡れる感覚がわからなくて困っています・・・
それが彼女から寄せられた当初のお悩みでしたが、お会いして話をうかがってみると、実は彼女はまだ処女であることが分かりました。
年齢は20代前半、まだ少女っぽさの残る、華奢な女性でした。
数年お付き合いしている彼氏がいますが、濡れにくいために何度も初体験に失敗し、未だバージンのまま当サロンの扉を叩いてくれたそうです。
今回は処女喪失が目的ではなく、あくまで予行練習的なご依頼内容です。
”濡れる”というのは女性器から愛液とよばれる液体が分泌される現象ですが、その仕組みは男性器が勃起するのと似ていて、ある程度性的に興奮する必要があります。
彼女が濡れにくい原因は、なんでしょうか?
体質的な違いももちろんありますが、初体験に挑む緊張もあったでしょうし、男性の愛撫の仕方が未熟であった可能性も大きいと思います。
そして当人の”性的”好奇心の強さというのも、実は重要な要素になってきます。
「ところで、ひとりエッチはしていますか?」
ほとんどのお会いした方にしている質問ですが、別にスケベ心だけで聞いているわけではございません。
僕はひとりエッチの事を『自主トレ』と言ってますが、性的好奇心のおもむくままに、自身の身体を愛でるという行為は、
性感脳を発達させるための重要なステージになります。(ですので、まだひとりエッチの経験や習慣がない方にオススメしています。)
彼女の場合は、異性や性行為への興味はあるものの、一人エッチには抵抗があり、クリトリスの場所もいまいちわからないそうです。
「そうなんですね・・・ちなみに自身の体で”ここは気持ちいい”という場所はありますか?」
「あ、はい・・胸の辺りがすこし・・・」今回のセラピーでは、この胸の性感ポイントが重要なトリガー(引き金)となりました。
ここをじっくり焦らすことによって、じょじょに全身の性感帯を目覚めさせていくのです。
一通りカウンセリングを終え、暗めにした部屋のベッドの上で施術を開始しました。
軽めのオイルマッサージでリラックスしてもらい、性感開発の土壌つくっていきます。
マッサージの後半から手の動きはスローになり、やわらかなタッチで皮膚の上に指先を滑らせていきます。
やがて指先は乳房の麓にさしかかりました。
乳首を中心に網目状に張りめぐる性感神経を呼び覚ますように、5本の指先は軽やかに乳房の上で踊ります。
ある一定の距離以上胸の先端に近づくと、ピクッと小さく震える彼女の体。
先端へ向けてゆっくりと螺旋を描いたり、乳首のすぐ側をかすめるようにぐるぐる回ったりと、色々な動きで左右の乳房を交互に愛撫していきます。
はじめの微かな震えは次第に大きくなり、彼女の呼吸も湿り気が増していきました。
「は・・はぁ・・・う・・うぅん・・・」先程までなだらかな稜線を描いていた乳房の先端の蕾は、小さく膨らんで小山の頂上にピンッとそそり立っています。
ここへきてもまだ乳首には触れません。
さらに両手を使い、10本の指先が彼女の胸元で踊ります。
「はぅっ・・・」そうこうしているうちに、彼女の身体は美しい弦楽器のように繊細な刺激に震え、胸へのカーマタッチは快感の波紋となって全身に響き渡っていきました。
右手の指先で乳首を焦らしながら、もう片方の手の指先は胸元から腹部を
辿って下半身の性感帯へと向かいます。
胸元に芽生えた快感を、カラダの隅々まで共鳴させていくのです。
華奢な片脚を少し開いてもらい、くるぶしから膝を
伝い、秘部へ向かってゆっくりと愛撫していきました。
恥ずかしい場所は下着によって
秘されたままです。
秘されていない部分、太ももと秘部の境い目を、中指の先でそっと撫で上げてみます。
彼女にとってまだ未知数な領域。
恥ずかしい場所の外側に、触れるか触れないかの繊細なタッチで円を描きました。
最初は小さな反応でしたが、周回を重ねる毎にその反応は大きくなり、時おりヒクヒクと股間が脈打ちます。
指先の軌道が下着の上に侵入してクリトリスのすぐ側を通りかすめると、彼女の身体は一瞬大きく波打ち、甘い吐息が漏れ出しました。
膣口周辺はほんのりと熱を帯び、下着の内側から湿り気を感じました。
左手でアソコを、右手で同時に乳首の周囲を愛撫すると二つ微弱な快感は重なり合い、小さな波となって彼女に打ち寄せます。
極限までの焦らしによって、胸元に佇む2個の
蕾はほんのりと紅潮していました。
みずみずしく膨らんだその先端をそっと口に含み、やわらかい舌でころころと転がします。
「あっ・・・」全身の神経は乳首の一点に集約され、彼女の歓喜の声とともにカーマ・ワールドの本編は幕を開けました・・・。
もともと開花しつつあった胸の性感帯を軸にして、性感帯を全身に拡げていき、その後の冒頭のシーンへと続きます。
今日の目標は下半身の性感帯、とくにGスポットや奥Gスポットなどの膣内の性感帯を目覚めさせるころに設定していましたが、その前提となるのが、まずは全身を十分に愛撫することによって性感モードを完全にオンに切り替えることなのです。
丹念な愛撫の効果があったのか、脚の皮膚の上に舌を這わせただけで大きな声が出てしまうほどに、性感脳を開くことができたようです。
ここまで来れば、クリトリスは言うまでもなく、膣の中に指をゆっくりと進めるだけで彼女は大きな快感に身を捩り、膣内の愛撫では終始絶叫しながら、我を忘れて快感に身をゆだねていました。
気がつけば当サロンは、バージンの女性たちからも多くご依頼を頂くようになりました。
みなさんの依頼のきっかけは様々ですし、年齢も幅広いです。
自分が行っている処女向け性感セラピーの
理念を一言で表わすと
『初体験(性行為)への恐怖心をやわらげ、期待感へと変える』ことを主な目的としています。
実は初体験のときに感じる”痛み”のほとんどは、この”恐怖心”という幻によって拡大されています。
物怖じしない性格の女性はすんなりと初体験を済ますことができるのでしょうが、石橋を叩いて渡る性格の女性はついついタイミングを逃してしまい、小さなコンプレックスが芽生え、それはやがて大きく膨らんで行きます。
最初の恐怖心も、時を経るごとに大きくなり、心と体を化石のように固くしてしまいます。
そんな状況を打開するためには、セックスが気持ちよく楽しいものだということを理解することが重要だと思います。
カーマ流”性の手ほどき”を受けることによって、きっと彼女も今後の初体験に前向きに挑んでくれることでしょう。
「今日はありがとうございました」別れ際の微笑みは、こころなしか少女の面影が薄れていたような気がしました。
軽やかな足取りで雑踏に消え行く彼女を見送ります。
その後ろ姿はまるで、大人の階段を登っていくように見えました。
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